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札幌冬物語5
続きから。

翌朝。1月11日。連休最終日。成人の日。朝8時頃母親から携帯に電話がある。親父の意識が戻り、今朝ごはんを食べ終えた。朝一で病院に連れて行きたいのですぐに迎えに来て欲しいとのこと。

昨夜は兄貴の家族はみんな早めに寝たので今朝は8時に全員起きて来た。兄貴に電話があったことを伝え、すぐに2人で両親を迎えにコズエねーさんのマンションへ向かう。

マンションに入ると廊下の壁に手をつきながらヨタヨタとオムツ姿で歩いている親父と目が合った。

親父の顔は、体内の毒素と共に邪気も消えてしまったような純粋な表情で照れ笑いを見せた。こんな無邪気な顔の親父は見たことがなかった。この父親なら今までの家庭内での悪行の数々を信じる者は誰もいないかも知れない。

特にここ十数年、我々子供達が実家を出てからの親父の行動はまるで悪人そのものだった、という報告を母から受けている。

浮気をしてバレると母を殴り、蹴った。自分の給料を生活費のためには一切入れず好き勝手にばら撒くように趣味や愛人に散財。

退職すれば自分の退職金は全く相談なく今経営する店の立ち上げにつぎ込み、それでも足りず母の退職金の殆どを勝手に使い切った。

その結果立ち上げた店の仕事のほぼ全てを母にやらせ、自分はやりたい時に陶芸をして楽しみ、陶芸の道具や資材を欲しいだけ気ままに購入する。経営なんてクソ食らえだ。

そして気に入らないことがあれば未だに、不自由になった足を引きずりながら自作の陶器を振り上げ母を殴る・・・・・


こういう経緯があるのでこの夫婦には愛情なんて呼べるものはない。あるのは妻を母親代わりに甘えるマザコン的精神依存と、その暴力と恫喝による現実から生活の忙しさへと常に逃避する妻の姿。

こう書くと母親は単に被害者と思われるだろうが、それは違う。彼女の罪は愛のない夫婦関係を続けたこと。これは子供達に対する明確な罪である。

そして最大の罪は我々が幼い頃、親父に殴られたり脅されたりしている時に、それを見て見ぬ振りをして逃げたことだ。

だから私から見れば母は立派な共犯者、加害者である。もし、私が母の立場なら自分がどんな目に遭わされようとも子供を守り、そして一緒に逃げたに違いない。


そんな母は今回もやはり現実から逃げた。今回の親父の異変ににいち早く気付いていたのは母親だ。それも年末、私の兄弟達が帰省して来る前にだ。

私も薄々親父の体調の変化に気付いていたので、前回救急車で運ばれた時の経験から母にその時はっきりこう言った。

「早く病院に連れて行かないと大変なことになる。兄や妹にだけでなく孫までをも巻き込むことになるし、年末年始で病院も閉まっいたらどうするの?」

それでも、父を病院に連れて行く努力を母はしなかった。この人は人と真っ向から向き合って議論したり説得したり、ということを避けて生きて来たのだ。

ともかく難しい現実が突きつけられるとその場から逃げてしまう。タイプは違うものの、これでは人の話を無視したり、力や言葉の暴力で抑圧する親父と実質的に同じではないか。

だから我々兄弟達はこの暴力と現実逃避に呪縛されたこの夫婦をお似合いのカップルだと言うのだ。


続きに戻ろう。朝一で、祝日の当番医であるやや大きめの病院へと連れて行く。この日も点滴を打ってもらい、すっきりしたらしい。そして医者から怒られたそうだ。

「こんなに肝機能が低下しているのに旅行だなんて、自殺行為だ。そもそも担当医の許可を得たのか?」

この夫婦は自分らの体調管理不行き届きが周りにどれだけ迷惑がかかるか、なんて考えたこともないだろう。

それを知る上でも今回の旅は親族、とりわけ従姉のコズエねーさんと兄貴には莫大な迷惑を掛けたけど、有意義だったと思う。


母にとっては残念だろうが、この問題はこれまで積み重ねてきた夫婦の問題の集積だと私は分析している。だから我々は客観的に遠くから見守ることにしよう。

私は運命論者なのでこう思う。この夫婦の場合、今世で生まれて巡り合ったのはきっと依存と逃避の関係の解消という試練を乗り越えるためではないだろうか。

つまり、母の場合は若い頃に現実に向き合えば親父に精神的依存を断ち切るチャンスを与えることができて、お互いに精神的に進化したかも知れないのだ。

だがその機会を逃した。そして最後は夫婦2人きり。逃げることはできない。更に自分を暴力で抑圧した人への介護の問題も出てくる。


母よ。


「しっかり生きろよ」



車椅子のじーさん.JPG



札幌冬物語、完。





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[2013/09/24 22:22] | 迷子の大人たち(移転前日記) | トラックバック(0) | コメント(0)
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~もしもエエ加減な男が農業を始めたら~「池田なません」の【ニワトリノニワ】農場経営者池田司が送る、脱力系テキトー農業日記

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高知県四万十市の丘の上、放し飼い有精卵のニワトリノニワ農場の経営者池田司です。

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