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リーマンシリーズ2 あるベンチャーで
私はかつてある都会の企業などでボンヤリと働いていた。いわば、とぼけたサラリーマン。略してトボリーマンだ。(なんなんだ?)

そんなサラリーマンなら困った上司やウザイ上司に悩んだ経験もあるというもの。だが、しかし、だ。ウザ系上司は時に信じられないような一言で我々を死に追いやる秘孔を突くことがあるのだ。

⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒


ある大都市。中小企業が集まる街の、小さな雑居ビルにそのベンチャー企業はあった。従業員20名ちょっとの小さなこの会社は、業界最大手の企業のやり手2人が3年ほど前に独立して興していた。

その創始者の一人、副社長として経営手腕を振るうのが今回の主役である女性の経営者、通称マッキーだ。

このあだ名は社員の誰かが親しみを込めてつけたものでは断じてない。自分で言い始めたのだ。いや、自分以外誰もそのあだ名で呼んだことなど実は無いのだ。

というのも、このマッキー、業界では女ナポレオン、社内ではヒトラーの再来と怯えられ、対峙するだけで人を胃痙攣にさせる超能力者なのだ。

そんなマッキーは独身で、本人曰く仕事をしている内に適齢期を過ぎちゃったという、いわば仕事と孤独を愛する孤高の女仙人、または聖職者である。ということにしておこう。

その感情の起伏は、仙人だけに山の天候に例えられた。つまり晴れたり曇ったり、いやそんな優しいものではない。唾液や鼻水、差し歯に高級万年筆までがオフィス内で舞うのが観測された。

マッキーは小金持ちで羽振りがいい。だがそれはプライベートでの話であり、会社の経営においては無駄を憎み節約・削減の言葉を愛した。いわゆるケチだ。

そのどケチ振りの一例として、この会社に入社が決まるともれなく家庭で余っている文具を差し出すよう求められた。いわば現代の刀狩みたいなものだ、と思えば笑えないこともない。

また自らは6Lの排気量を誇る自家用高級外車を社用車として経費で乗り回すのだが、社員に対しては強烈に歩くことを推奨した。営業の際、30分以内は歩けという行動指針があったほどだ。

この会社は都合の良い年俸制を採用しており、通勤の交通費を年俸に含むということで別途支給はされておらず、それも社員の不満の一つだったのだ。

「交通費?他力に頼らずに己のエネルギーを消費して足動かさんかい!」的な。



ある日のこと。ソイツは平成の蟹工船のごときそのベンチャー企業に、分不相応のでかいケージに入れられてマッキーに連れられて現れた。

当初はまだ幼く名前も無かったのだがマッキーが連れて来たことから丁重な扱いを受けていた。そのお方とはハムスターの♂、後にハムちゃんというこれでもかというテキトーな名前を付けられた。

誰が連れて来たかはともかくとして、まだ小さいハムちゃんは愛に渇いたオフィスに降臨した唯一の癒し系キャラとして皆に可愛がられることになった。

しかし、だ。暫くしてある事実が明らかになる。経費削減が最重要経営方針であるかのようなその会社において、ハムちゃんはマッキー個人の私物ではなく会社経費の社有物であったのだ。この事実が知れ渡ってから社員の態度が一変した。

歯車を回す音が聞こえる度に舌打ちが聞こえ、中にはマッキーの不在時に虐待しようとケージに手を突っ込む者まで現れた。社員なら誰もが虐待者の心理を理解していったものだ。

そうして数ヶ月の時が流れた。かつては癒し系で愛玩の的であったハムちゃんはいつからか皮肉を込めてハム様と呼ばれ、可愛らしさもいつしか消え去り、ふてぶてしく肥大したただの大ネズミへと変貌していた。

社内のアイドルだった過去は消え、今ではマッキーに怒鳴られた時にだけその大ネズミをチラと見たりする社員がたまに居るに過ぎない。

しかしマッキーだけは違った。彼に自分の人生を重ねて見ているのか、その巨大ネズミを可愛がり続けていた。


そんなある日の朝事件は起きた。前日の夜まで元気だったハム様が巣の中で小刻みに震えて動かないのだ。誰かが虐待したんじゃないのか?と顔を見合わせ怯える社員達。

慌てたマッキーは、たまたま近くに居合わせた私にネットで近くの動物病院を調べさせた。何で俺が・・・・・と思ったけどハムスターに罪はない、と思い直した。

生真面目にも私はすぐ近くには良さそうな病院はないが、少し離れた所に評判の良い動物病院を発見し、報告。

それを聞いた、マッキーが一言。


「池田君、ハムちゃん連れて病院に行って来て。もちろんタクシーで。ほら、急いで!」


タクシー代あげるから、と言って金庫から5万円ほど取り出して私に渡した。

ネズミ>社員ってこと?・・・・・これ、本気ですか? ともかくハムスターに罪は無いのだから、と必死に自分に言い聞かせて病院へと向った。診察を終えて獣医が一言。


「食べ過ぎによる消化不良ですね」


どうやら前日深夜にジャーキーなど高級餌をふんだんに与えたらしいとのこと。

そして、「健胃消化薬飲ましておきましたので」 と。


健胃消化薬=キャベジン ですよね? ・・・・・・こ、このハム公~



お前は二日酔いのオッサンか!




・・・・・・3日後、私は辞表を提出した。

ネズミにではなく、社員の交通費出してやってくださいと言い残して。





「ねはんの里」 
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[2013/09/24 22:13] | 迷子の大人たち(移転前日記) | トラックバック(0) | コメント(0)
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~もしもエエ加減な男が農業を始めたら~「池田なません」の【ニワトリノニワ】農場経営者池田司が送る、脱力系テキトー農業日記

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高知県四万十市の丘の上、放し飼い有精卵のニワトリノニワ農場の経営者池田司です。

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