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![]() 2008年8月24日。お遍路5日目。 19番立江寺を出発し、門前の酒井軒本舗でたつえもちを買い近くのスーパーで昼食を買おうと立ち寄ったがそのスーパーは潰れていた。時刻は12時少し前。遍路地図を見てもこれから6.3km先のコンビニまで店らしいものは何も載っていない。 飯が喰えないと思うと余計にお腹が空いてきたが諦めてトボトボ歩き始める。半分妬けになってさっき5個も購入したたつえもちを歩きながらパクパクと口に放り込む。大福餅みたいなヤツは普段余り食べないし好きでもないのだが、この時ばかりは一口食べるごとに涙を流した。 ま、息が詰まって苦しかっただけなんだけど。飲み物も持ってなかったのだ。お茶うけに大福が用意されている理由が良くわかった。粉っぽいのでお茶がすすむという訳なのだ。干からびつつあるおばあちゃんにはもってこいな間食に違いない。(怒られるぞ) あいにく遍路道は田舎の、県道の旧道を進むため自販機すらない。廃業したガソリンスタンドも既に20年は営業していないと思われる有様であった。もちろん何処にも休憩できるベンチだってない。 毎日午前中は5、6km歩いて休憩というペースでなんとかなるが、昼頃になると2、3km歩けば休みたくなる。3kmほど進んだ所で前方に歩き遍路の姿が見えた。どうやらいい歳のおっちゃんみたいだ。 ヘタに追い抜いたりするとまた暫く休めなくなるぞと考え、その場で歩道の縁石に座り込んで休憩することに。暑い。ともかくコンビニまでは早くたどり着こう、と立ち上がって歩き始める。全然汗が引かない。 少し歩いて突き当たりると右に曲がって緩い坂道を登って行く。ここに来て登りかよぉ、と切なくなった。半ば朦朧としながら登り始めると一台の車が少し前で停車した。すぐに中から遍路のカッコをした優しそうなおっちゃんとおばちゃんが降りて来た。 お接待です。と言って奥さんが渡してくれたのは袋に入った甘夏二個。おっちゃんがくれたのは、12番焼山寺の石灯篭の写真と焼山寺手前の巨大空海像のある一本杉庵の写真、のそれぞれがプリントされた絵葉書が一枚ずつ、そして名刺が一枚挟まっていた。 これ↓ ![]() 名刺には「歩き遍路援護会 霊場会公認先達 村上敏樹」とある。高松の人らしい。絵葉書は自作と書いてあった。ニコニコした優しい笑顔にとても癒された。頑張って、と言われ不思議に元気が出てくる。 人と会話するっていうのは本当に不思議で、仲の良い友人の場合だと目を合わせるだけで元気が出てくるものなのだ。ま、逆もまた然りなのだが。 多分絵葉書の意味は、あんなシンドイ焼山寺を登ったんだから誇りを持って結願してくださいね、ということだろうか。 お陰でだらだらした坂をなんとか登り切り、下り始めたところで右手にドライブインみたいな建物が見えた。だがここも営業していなかった。せめて自販機だけでもと思ったが見当たらない。 絶望的に歩いていると緩いカーブを過ぎた所で左手の家から人が出てきて声を掛けられた。 「お四国さん、お接待や、寄ってき」 振り向くと帽子をかぶった品の良さそうなおじいちゃんが手招きしている。神よ!いやお大師様の化身だ。薄暗い建物に入ると中は土間になっており何かの工場みたいだった。そこにかけてと言われイスに座っていると冷蔵庫からスイカを取り出して切ってくれた。 このスイカがまたキンキンに冷えていて美味しかった。 お接待のひと時↓ ![]() 遍路道の近くに住む、よくお接待をするおばあちゃんに聞いたことがある。家で何か雑用をしていると、ふと門前を疲れた顔をして、空腹で歩いてくお遍路の姿が頭に浮かぶそうだ。で、玄関を開けて外を見ると・・・・・ きっとお接待する人はお大師様に選ばれているのだろう、本当にそう思う。 南無大師遍照金剛 つづく ![]() スポンサーサイト
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迷子の大人たち 2 |
~もしもエエ加減な男が農業を始めたら~「池田なません」の【ニワトリノニワ】農場経営者池田司が送る、脱力系テキトー農業日記 |
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